坂の上の雲 一の報酬で十の働き・・・

「人間のえらさに尺度がいくつもあるが、最小の報酬でもっとも多く働く人ほどえらいひとぞな。一の報酬で十の働きをするひとは、百の報酬で百の働きをする人よりえらいのぞな」
さらに子規はいう。
「人間は友をえらばんといけんぞな。(新聞社)日本には陸羯南がいて、その下には羯南翁に似たひとがたくさんいる。正しくて学問のできた人が多いのじゃが、こういうひとびとをまわりに持つのと、持たんのとでは、一生がちごうてくるぞな。安くても辛抱おし。七十円や八十円くれるからというてそこらへゆくのはおよし。あそばずに本をお読みや。本を読むのにさほど金は要らんものぞな」

坂の上の雲(二)司馬遼太郎 文春文庫P25-P26

正岡子規が、後輩に言ったとされている言葉です。

彼が当時から、いかに多方面から物事をとらえており、その中から子規らしさを形作っていたかがよくわかります。

「最小の報酬でもっとも多く働く人ほどえらいひとぞな」は給料に大きく不満を持つ私にぐっさりきました。
そうだ!自分だって十の報酬で、二十ぐらいの働きはしてる!!(汗)

しかし、「人間は友をえらばんといけんぞな・・・」のくだりにくると、周りに座っている方々が目に浮かび、やっぱり辞めてしまいたい!と思われます。

子規が没したのは丁度今の私と同じ歳です。

いかに自分の考えがなくフラフラしているかを、ガツン!!と思い知らされてしまいます・・・。

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