ミュージカルとしてもあるようだが、これは映画の評価です。
私の中ではクリント・イーストウッドは監督としての評価はあまりよくありませんでした。
しかし、この作品で大きく変わりました。
映画の中の登場人物が、時折話しかけるように心情を吐露するシーンがあるのですが、
始めは古びた技法のように感じましたが次第に登場人物の思いがきになるようになってきました。
映像は特別なものではありませんが、下手に古びた印象もないまま60年代を自然に表現しています。
今聞いても斬新に感じる強烈な歌声が、下手なサントラをはるかに圧倒しています。
ストーリーもトミーのダメさ加減にイライラしながらものめりこんでしまいます。
特別新しいものは何もありません。
それでも、ここまで面白い作品が作れるのです。
クリント・イーストウッド監督が手持ちのコマを見事使い切ったといえる傑作です。