映画「狼たちの午後(Dog Day Afternoon)」★★★☆☆(3)

実在した強盗犯をアル・パチーノが演じるアメリカン・ニューシネマです。

衝撃的なことは『本作品の殆どのシーンは役者たちのアドリブによって撮影されている(wikiより)』ということです。
これが功を奏してか、各役者の演技力が光ります。

アル・パチーノ演じるソニーの名演技はもちろん、
ジョン・カザール演じるサルは影の薄い危険な犯人ですが、
随所で人間らしさを出しこの後アル・パチーノとともにゴッドファーザーへ続きます。

また、アメリカン・ニューシネマらしい
当時の社会的な様相も、他の作品より色濃くでています。
そのあたりは監督のシドニー・ルメットの手腕でしょう。
ちなみに彼は1957年『十二人の怒れる男(12 Angry Man)』でも有名です。

人質、刑事、FBI、彼女・・・
数時間の監禁のなかで様々な性格が当時のまま鮮やかに描かれています。

ただ、アメリカン・ニューシネマという非常にハイレベルな作品群の中で評価すると、
実話とはいえ全体のストーリーはいまいちでした。
が各キャストの力作であることは間違いありません。

このジャンルが好きな方は見逃せません。

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